尿をすると痛い(排尿時痛)
排尿時痛を認めて泌尿器科を受診する方も多いです。その症状は当然男女問わずに起きるのですが、その原因が異なることが多いです。女性に場合は、排尿時痛に加えて、残尿感や頻尿、場合によっては血尿を伴い(膀胱刺激症状といいます)、その場合は膀胱炎が原因である可能性が高いです。男性では比較的若い方は性感染症を含む尿道炎、高齢の男性であれば急性前立腺炎である可能性が高いです。それぞれ、原因微生物に応じた抗菌薬の投与が必要になります。各疾患についての詳細は下記をご参照ください。
また上記の疾患に比べれば頻度は下がりますが、膀胱結石や尿路結石が尿道に詰まっている場合なども排尿時痛を自覚することがあります。その他、膀胱癌による血尿が膀胱頸部や尿道に詰まってしまいうまく排尿が出来ないために排尿する際に痛みを感じる場合や、尿閉といって、膀胱内に尿が充満しているのに尿を排出することが出来ず、それが排尿時の痛みと訴え受診されるパターンもあります。多くは尿路感染症による急性炎症がその痛みの原因ですが、男性特有ではございますが、慢性前立腺炎でも排尿時痛、痛みまではいかなくても排尿時の違和感を訴え受診される方もいます。
検査には基本的には尿検査と腹部超音波検査くらいで、痛みを伴う検査や恥ずかしい検査などはございません。また女性に非常に多い膀胱炎治療もその専門家は泌尿器科になります。その理由は、内科や婦人科では尿を実際に顕微鏡で確認し、白血球の有無や細菌の有無を行う施設は皆無であり、正確な診断、治療が行えない可能性があるからです。もちろん抗生剤が奏功することがほとんどですが、年齢や基礎疾患、既往歴などに応じて耐性菌を生まないような抗菌薬を選択するのにも泌尿器科医は長けております。繰り返す膀胱炎ではその再発予防や、何か排尿障害に関わる疾患が隠れていないかの検査も簡便な腹部超音波検査で行えます。泌尿器科専門医として正確、迅速な診断を致します。膀胱炎を含む排尿時痛を認めた際は当クリニックを受診くださればと思います。