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HPVワクチンの最新エビデンスについて

[2026.06.23]
 こんちには。院長の桃園宏之です。日々の外来に全力を尽くし時間を割いていると、最新の論文を読む時間が減っていることも事実です。しかし、患者様に適切な医療を提供できるように、なるべく最新かつ正確な情報をアップデートするため引き続き信頼できる論文はチェックするように心がけていきたいです。今回は世界最高峰の医学誌のひとつである、ランセット(THE RANCET June 17.2026)に掲載された、当院でも接種を行っているHPVワクチンについての最新論文を紹介したいと思います。HPVワクチンが男女問わず、その接種により様々ながんの発症予防に寄与することは当サイトでもたびたびお伝えしていると思います。今回の論文ではHPVワクチンを接種することによって、子宮頸がんの発症を未然に防ぐのには効果的であることは周知の事実ではあったもののワクチンが人命を救うことを示した初めての論文と結論づけらていました。論文の中身の詳細ですが、イングランドで2008年に学童期の女性に対するHPVワクチン接種が始まりそれ以降で子宮頸がんによる死亡者数が急激に減少したことが示されました。この研究によると2020年から2024年の間に20から24歳の女性では子宮頸がんによる死亡は記録されなかったとのことです。5年にわたりこうした状況が持続したことは初めてのことだそうです。研究ではまた、12もしくは13歳でワクチン接種を受けた女子は30歳までにこの病気で死亡するリスクがほぼゼロになっていることも明らかにされました。より多くの人がHPVワクチンを接種し、接種済みの人々が年齢を重ねるにつれこの病気による死亡数は今後も減少し続けると予想されていました。2019年以降は男子もHPVワクチン接種しており、これにより肛門がん、陰茎がん、咽頭および口腔のがんの予防が進むとともに、このウィルスを女子に感染されるリスクも低減されると考えられます。また日本においても2025年8月から9価HPVワクチンの男性に対する接種が正式に承認されております。現在使用されているさまざまなお薬やワクチンは全て、病気の治療効果やその進行を抑えたり、発症を抑制することが研究で示されてから実用化されています。しかし、例えば、抗がん剤を含む薬の中には、病気の進行を抑制するものの、死亡率の低下には寄与しなかったり、副作用で実際の生活の質低下は避けられないものなども少なからず存在します。HPVワクチンに関しては今回の論文で、がんの死亡率低下に多いに寄与していることが示されており、またその副反応に関しても今までの多くの研究、論文で軽微なものがほとんどで安全性は極めて高いとされております。当院では、今回の最新論文の結果を元に、ひとりでも多くの方が、ワクチンで防げるがん死を防げるように泌尿器科として男性側からのアプローチで、HPVワクチンの啓蒙を引き続き行いたいと思います。本日はHPVワクチンの最新エビデンスについてのお話でした。

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