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X線検査(レントゲン検査)

腎結石、尿管結石が疑われた際には、腎、尿管、膀胱を含む腹部単純レントゲン撮影を行います。これは腎(Kidney)、尿管(Ureter)、膀胱(Bladder)のそれぞれの頭文字をとりKUBとも呼ばれています。尿路結石の原因である石灰化はレントゲンで白く写ります。ただしレントゲンに写らない(陰性)結石も2割ほどありますが、結石の原因として最多のカルシウム結石はレントゲンで写るのでKUBにより結石の位置とサイズの診断が可能です。

また当院では胸部単純レントゲン撮影も可能です。心臓が大きくないか、肺に水が溜まっていないか、肺炎がないかなどを観察するための胸部撮影を行い、内科で広く行われる検査です。当院では夜間多尿に対する投薬治療を開始した際に、その副作用で稀に胸部に水が溜まることがあるために、そのモニターとして治療前と治療後にフォローで行うことがあります。

当院では患者さんへの配慮がなされたレントゲン装置を採用しております。

横になって撮影することが多い泌尿器科において、その寝台はソフトタッチの天板を備え、撮影ポジショニング機能も完備されていて、ワンタッチでの操作が可能で検査時間の短縮を目指します。また最新の装置であり、その被爆量も低減されておりより安心して検査を受けて頂けます。ちなみに腹部レントゲンの一回あたりの被爆量は1mSV程度とされ、普通に生活していても年間に1.5mSVほど空気からなど被爆しており、そのことからも分かるように軽微な量です。一般的に妊婦さんで避けた方がいいと言われている被爆量は100mSV以上で、発がん性などのリスクは1000mSV程度と言われています。

以上、X線検査についての説明になります。泌尿器科クリニックではそこまでスペースの余裕がなく、レントゲンを導入されていない施設も散見します。当院もそこまでの広さもなく、またその導入コストや使用頻度も含めて、少し導入に悩みました。しかし、患者さんが尿路結石の疑いで当院を受診されたにも関わらず、レントゲンによるその確定診断ができないことは泌尿器科専門医としてもどうなのかと思い、何よりも患者さんのことを考えて導入致しました。

被爆も少なく簡便な検査であり、背部痛など結石を疑う所見を認めた際は、お気軽に受診頂ければと思います。

尿路結石について

記事執筆者
桃園 宏之
  • 日本泌尿器科学会 指導医
  • 日本泌尿器科学会 専門医
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