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頻尿・尿失禁治療器(干渉低周波)

大阪市内で初の導入(ぺリネスタ)です!

干渉低周波治療器(ぺリネスタ)は、頻尿と尿失禁に対する治療機器です。下腹部とお尻に専用のパッド(患者様個人用に購入いただきますので衛生面の心配は不要です。また繰り返し使用可能です)を貼り、干渉低周波で膀胱および尿道の筋肉を刺激します。1回20分の治療を週に2回程度行います。電気によるピリピリした痛みは軽微なものであるためご安心ください。また着衣のまま、リクライニングチェアに座りリラックスした状態で治療を受けられます。

1.干渉低周波治療について

女性下部尿路症状診療ガイドライン第2版(日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会)にて、干渉低周波治療を含む電気刺激療法は、科学的根拠があり、行うように勧められると分類されています。また電気刺激療法の中では、干渉低周波が唯一の保険適応(1か月に6回まで)となっています。同様に神経を刺激する治療法である磁気刺激療法は、女性の難治性過活動膀胱のみが保険適応ですが、以前に認可され販売されていた機器は現在では販売が中止されています。一方で、干渉低周波治療器であるぺリネスタは、以前に製造されていたウロマスターの後継器として2021年6月に販売開始されました。頻尿・尿失禁治療器のペネリスタは、2024年9月現在、当クリニックが大阪市内で初導入になります。エビデンスがあり、かつ男女問わずに保険適応可能な失禁治療器になります。これが磁気刺激療法を含む他の失禁に対する神経刺激療法との大きな違いになります。ペリネスタの効果が現れるメカニズムとしては、干渉低周波という弱い電気で膀胱周囲の筋肉や神経を刺激することにより、排尿をつかさどる筋肉(膀胱周囲や尿道括約筋、骨盤底筋)が鍛えられ、尿を我慢することができるようになる、過敏になりすぎた排尿反射が抑えられる、膀胱周囲の血流を改善するなどがいわれています。

2.治療の適応について

干渉低周波治療は男女問わず頻尿や尿失禁がある方に保険適応があります。性別や年齢による制限なく使用が可能です。頻尿および尿失禁の原因は、男性では前立腺肥大症や前立腺がん術後の尿漏れや、慢性前立腺炎などの炎症性疾患によるものがあり、女性では過活動膀胱や、お腹に力が入った際に尿が漏れる腹圧性尿失禁があります。干渉低周波治療はこれらすべてに保険適応があります。一方で、これらの疾患に対しては飲み薬による効果も極めて良好です。しかし、投薬治療のみでは効果が不十分の方には干渉低周波治療を併用します。逆に薬を飲むことに抵抗のある方などには、干渉低周波治療単独でも効果が期待できます。もちろん1回では劇的な効果は認めませんので、継続して刺激を与えることにより効果が現れるとされています。リハビリを継続して行うイメージをしていただけるとわかりやすいかと思われます。私自身は、主に投薬治療と併用することで、より効果の感じられる、あくまで補助的な位置づけの治療法と考えておりますが、実は単独でも3割ほどの方が、干渉低周波治療単独で尿漏れや頻尿が治ったとの報告が、さまざまな医学論文で示されています。

低周波は心地が良く、リラクゼーション効果もあるとされています。また副作用もほとんどなく、エムセラ(磁気)など高額な自費診療とは異なり、当院での電気刺激治療はハードルのかなり低い治療です。もちろん効果には個人差がありますが、エビデンス(根拠)がしっかりと認められた保険診療になります。飲み薬との併用も可能ですので、投薬治療で効果が不十分な方、また服薬にどうしても抵抗がおありの方など、当治療をご希望の場合は受付や診察室でお伝え頂ければご予約をお取りいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

記事執筆者
桃園 宏之
  • 日本泌尿器科学会 指導医
  • 日本泌尿器科学会 専門医
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